清水吉男さんとの思い出

清水吉男さんが亡くなられた。

ぼくが2001年頃、XP(Extreme Programming)について熱っぽく語っていたところ、横からチャチャを入れてきた「あんちゃん」というのが最初の印象だった。ソフトウェアエンジニアリングの考え方をしっかり持っておられて、その上での議論だったので、何度か掲示板で議論したあと、意気投合して、オープンでやりませんか!と挑んだ覚えがある。ぼくも真剣に議論できる人が欲しかった。XDDP も清水さんに言わせれば「XPの間にDDを挟んでやったんだ、参ったか!?」だそうだ。

2001年のオージス総研主催のObjectDay2001にて、清水さんとパネルディスカッションで議論した。XP擁護派 vs. XP懐疑派、というパネルで、オージスの藤井さん(現エンタープライズアジャイル勉強会の首謀者)がモデレータだった。その時のパネリストを晒す。(リンクはこちら。)

司会

  • 藤井拓(オージス総研)

擁護派

  • 長瀬嘉秀(テクノロジックアート)
  • 平鍋健児(永和システムマネジメント)
  • 石井勝(アイザック)
  • 梅澤真史(オージス総研)

懐疑派

  • 藤野晃延(インアルカディア)
  • 清水吉男(システムクリエイツ)
  • 渡辺政彦(CATS)
  • 竹政昭利(オージス総研)

びっくりすると思う。Rubyistでありオブジェクト設計原則を広めた故・石井勝さんや、Smalltalkerの梅澤さん、長瀬さんが擁護派であり、懐疑派には尊敬するフジノさん、そして、かの日の清水さん。他にもCATSの渡辺さん、オージスの竹政さんにお願いをした。実は懐疑派のみなさんは、よくアジャイル(このころこの言葉はなかった)を理解されている上での話だった。

レポートには、現在も繰り返されている、アジャイルへの疑問がそのまま書かれている。大規模適用、ドキュメント、計画との整合、、、なんだか時代を反対方向にタイムリープした感覚を受ける。

清水さんとは、その後、SWEST, AFFORDD,SQiP等でも何度もお話をさせていただき、根本レベルで意気投合していたと思う。アジャイルや派生開発が、どうこうではなく、世界を変えるとはどういうことか、エンジニアリングと人の関係はどうあるべきか、そもそも、そういうことを考えることの「個人的な勇気」について。

このあたりは、古畑慶次さんや林好一さんなどはよくご存知だと思うし、このお二人との出会いは清水さんに頂いたものだと思う。

もう少し清水さんの思い出を。

派生開発推進協議会(AFFORDD)2015での基調講演を依頼されたとき、いただいたメールを許可を得ず、転載する。

チェンジビジョン 平鍋さん
派生開発推進協議会(AFFORDD)の清水です。

ご挨拶が遅れましたが、来年度の派生開発カンファレンス2015の基調講演を
受諾していただけたということで、ありがとうございます。

2010年2月に、派生開発での現場の混乱を少しでも軽減したいということでこの団体を設立し、来年の2月で設立丸5年になります。私にとって、まさにあっという間の5年間でした。団体の運営というものもよくわからないままに、正義感と使命感で設立したものですが、幸いにも多くのメンバーに助けられながら、今日では、「派生開発推進協議会」あるいは「AFFORDD」という団体が認知されるようになってきました。また、研究会の活動成果も世の中に出せるようになってきました。そのような中で、平鍋さんを基調講演にお呼びできることを嬉しく思っています。私の中に、「ここまで来れた」という達成感を感じています。

この時、「本当に助けられてきた」ということをしきりにおっしゃっていたのを覚えている。また、アジャイルの動向について2014年頃議論したときのメールにはこんなこともおっしゃっていた。

….一つの時代の区切りを感じました。

確かに、今の「ソフトウェアエンジニアリング」は「管理」に重点が置かれています。このことは起源の背景からヤムを得なかったと思います。それが必要だったのと、市場の要求はそれで「間に合った」わけです。

今日まで、「ソフトウェアエンジニアリング」はこの文化の上にいtろいろな手法や考え方を積み重ねてきましたが、時代の変化や技術の変化、市場の要求の変化の中で、合わなくなってきたのでしょう。それが「人」を感じさせないものになったのだと思います。私自身「世の中は無常」と言い続けてきましたが、SEMATの資料を読んで、あぁ、ここに踏み込むんだ!

ここも『常』ではなかったんだ!という感じです。
一つの時代の区切りなのでしょう。良いと想います。

時代の流れの中で
変わるものと変わらないもの
変えるものと変えないもの
の選別と構築が必要です。これが『常』です。

今日は、清水さんを偲んで、少し書きました。実は一緒に撮った写真を2時間ほど探していたのがほとんどの時間だった。結局みつからず。

こちらも許可を得ず、清水さんのfacebookから写真を転載します。きっと清水さん、許してくれる。ぼくらに勇気をくれた、あんちゃん、ありがとう。

清水さん

 

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